無為な日常
 
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2008年1月21日を表示

シフト ~世界はクリアを待っている

著:うえお久光

実に寒い。昨日から珍しく雪降ってるよ。まぁここで見る限りほとんど雨に変わっているが・・・、余計に寒い。

さて、そんな寒い中読んだのが『シフト-世界はクリアを待っているー』だ、と。(実は寒いからこそ読んだわけだが。なんせ暖房器具が一切使えなかった以上布団の中から出れなかったわけで)

この本は『夢の中は別世界』なファンタジー。無論ネバーランドのように見えて、結局そこは社会の縮図に過ぎない点はおもしろい。
・・・と、これでは説明になってないな。しかも面白さが伝わらん。ちょっと真面目に。

舞台は二つ。私たちが見ているような現実世界と、眠ったときに意識が移行《シフト》した場所にある夢の世界。この二つを行き来する少年少女たちの迷いと青春の物語。
夢の世界、とは聞こえが良いがそこは大地と”人”しかない世界。(よくあるソードワールドなどよくあるファンタジー世界から文化レベルを大きく落とした感じか。無論、治外法権という言葉が良く似合う)何故自分はここにいる? 答えるものは誰もいない。だったら自分で見つけるしかない・・・
また、この世界は”子供しかいない”。外見は違ってもその実、夢から覚めた《現実世界》の自分は皆”未成年”なのだ。子供だけの世界、これが意味することは?
(また現実世界と夢の世界の時間差もある。数日のはずが一晩とか。人間の夢を見る時間を考えれば不思議ではないのだ、逆に恐怖の対象にもなりえよう)
子供たちは日常と非日常の中で迷い、悩む。しかし子供たちは生きているのだ。《こちら》と《あちら》で。


なんか、相当怪しい表現があったな。しかもまとめてるようで全然まとまってないし。参考にならんな。これも自分の文章力の無さが出せる業か。 

では、感想、もといぶっちゃけ話に移行《シフト》しますか。

まず最初の印象は岩井恭平の『ムシウタ』。共通項がいくつか存在しますな。特に主人公とヒロインの配役。あと、未成年しかてあたりが多分ひっかかってるんだとは思うが。や、同じじゃないよ? むしろ全然違うし。けど象徴とか、目指しているものとか、漠然としたイメージみたいなもの、かぁねぇ。あれ? それって結局多くのラノベの共通項・・・や、今は頭から消そう。
夢の世界について。みんな言うけどやっぱりネトゲみたいなもんだね。世界のルールがあるけど、人のルールがまだない世界なんだわ。最初はあぁ書いたが、やっぱりいろんな人がいる。割り切っている奴もいるし楽しんでいる奴もいる。というか、そういう奴がほとんど? 最初こそは自が曖昧になるがゆえに自分が病気ではないか、とか本当にマトモなのか、とか・・・まぁもっとひどいだろうな。けど時間をかけて順応しちゃう。それが人間、というのもあるが、若いというのもあるだろうね。
でも世界が、人が皆優しいわけではない。そこに人がいる以上争いが起きるさ。1巻冒頭などで人攫いなど出てくるがそれが典型。というか出ないはずが無い。増徴させている理由も有る。一つは自分の楽しみのため、そしてもう一つはなにより《夢の世界》ということ。
だってそうだろ? 《夢》で人を殺しても《現実》では人殺しではないんだから(《夢》で死ぬと《夢》へシフトする権利を失う。そのくらいか)。ただ、怖いのは《夢》には《現実》があるということ。いたらしいぜ? 《夢》で暴れてたけど、個人情報を探され《現実》で刺されて亡くなった方が。その逆も然り。
そういえば、説明しわすれた。世界も甘くない。二重にね。世界はあなたを人以外の姿で生み出すかもしれない。人から《怪物》と呼ばれるような異形に・・・ね

はぁ、世界解説長すぎた。疲れたからもうちょっと・・・

結局、《夢》でも《現実》でも子供たちは生きているんだ。生きていれば悩みもでるし、喜びも生まれる。そういうところを描いたこの作品はとても面白いと思う。なんせ、1巻だけですますはずが勢いで2巻も読んじまったし。
設定も世界も人間も生き生きとしていて中々に良作。お勧めできますな。
ただし、書いているのがうえお久光というのがちょっと気がかり。完結するのか? これ。ぜひ完結してほしいが・・・流れ的にあと2巻ぐらいか? 楽しみにしている分けっこうつらい。

P.S.
作中の委員長が大好きです。結ばれることはまずありませんけど。



1月21日(月)12:19 | トラックバック(0) | コメント(0) | 最近読んだ本 | 管理


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