無為な日常
 
昨日と同じ今日、今日と同じ明日・・かい?
 



2006年10月2日を表示

EGG宇多津本店10月定例会(1)



あぁ、分かってたさ。これがチャンスということはな



集まった面子を見たとき俺は眩暈がした。そこにいる者たちは皆異様だったからだ
見た目か? 確かに内二人はおかしい。十数歳にしか見えない少女、もはや隠居してもおかしくない老人。
この場に奴がいることもどこか奇妙だ・・・タイミングが、良すぎる
最後の一人は表情が読めない、一見まとも"には"見えるが・・・・・・・
だが、そんなものよりこの場にいる者すべてが何かがおかしい、そう身にまとってる雰囲気が
・・・俺含めてな





目の前に強い衝撃が走り埃が舞う・・・あぁ、俺は生きている、か

「そんなんじゃ、あぶないよ」

目の前にいる少女はまるで何事もなかったように言う。彼女が俺を引かなければ今頃ここにあるのは俺の死体
・・・何者だ。素直な感謝よりそれが先に浮かぶ
俺はこれでも現役だ。有能と言い切ることはできんが決して無能でもない。現場も良く知っている
だが・・・彼女は





『さぁ、超えて見せろ』

ホールに響く声が途絶えた。目の前にいるは暗黒の化身。それも、二体。それはゆっくりと台座を降りた

「これは、厳しいな」

巨大な戦斧を持つ男がつぶやく。あぁまったくもってその通りだ。こんな大物、俺は初めてだ

「だが邪悪を打つが我が使命」

自分の丈ほどの剣を持つ男が言う。この常套句に耳にタコができるが・・・今回は頼りにはなる
・・・見れば他二人もどこか緊張しているようだ。そうさ相手は絶対的。だが

「・・・援護を頼む」

老人はうなずくと聞きなれない言葉をつむぐ。それが俺たちの得物に光を、力を宿らせる

「いくぞ・・・!!」

死闘の、始まりだ





死の幻影を幾度見たことか・・・だが俺はここにいる。奇跡的に死者はなし。傷は魔法で癒したが皆精神的に極限だ。だから戦いの起きたこの扉の前で休憩を挟む。しかし、俺にはやることがある
さきほど戦斧持ちと会話した・・・奴は、白か? 現時奴には下の回を確認してもらっている
・・・そう今行動できる者が俺しかいない状況。やれることは、しておくか





「これは・・・」

その光景に皆息を呑んだ。そこには見たことがないものが並べて安置してある。見たことはない、だが知っていた
皆の顔色を見る。驚いたような顔、興味を持ったような顔、複雑・・・葛藤してそうな顔
だが、俺には彼女の寂しそうな顔が気になった

「どうした」

「ちょっと、ね。―――」

ふぅ、と俺はため息を吐く

「どうしたら救われると思う」

「・・・それは――」

あぁ、何をしてるんだ俺は






奥にはここの主のものあろうと思われる部屋と、大量の資料があった

「ここに・・・」

老人は部屋を確認した瞬間一目散にかけていった。まぁ彼の考えを汲み取れば当然だろう。俺も情報を仕入れるべく右手にあった机に向かった。机の上には一冊の古びた本、それは

「日記、ね」

いつの間にか横に来ていた少女が言った。あぁまず間違いない

「ねぇ、最後から・・・この場所の結末から、見ない?」

・・・とくに異論はなかった。そこには―――
彼女のため息が聞こえた。彼女はこの結果を知っていたのだろう。それを確認・・・いや、確かな形で知りたかったに違いない。そしてそこにはもう一つ重要なことが書いてあった
俺は彼女を見る。彼女はすまなそうな、それでいて寂しそうな表情で俺を見た。そして彼女は俺に語る。そして彼女は聞いてきた

「あなたは、何者?」

・・・俺は・・・

「俺は、ただのしがない冒険者だよ」






それは、止まっていた
いや誰しも信念や行動理念はある。それが強ければ他人に譲れなくなる。またそれは一人に二つ以上あるときもある。気をつけなくてはいけないのは時にそれは矛盾が発生する。
まぁ、つまりそういうことだ。ここに正しいこともないし悪いこともない、そうだろ? だからこそ人は悩む、そして欲する。結末を

「このままで埒があかん・・・しょうがあるまい」

老人はそう言うと右手を振るった






「起きて!!」

彼女の声によって覚醒する・・・状況把握、男二人はまだ寝ている、そしてこの部屋のそとから逃げてゆく足音が聞こえる。よし意識を失ったのは僅かな時間のようだ。つまり、老人は賭けに出た、そして賭けに負けた。彼女の強い意思によって
だが彼女は次の行動に戸惑っているようだ。二人を起こさないといけないけど、そうすれば老人は逃げる。だから、俺は言った

「・・・くっ、まだきつい。俺は二人を起こしてから行く。先に奴を追ってくれ」

彼女はうなずく。そしてすばやくこの部屋を出て行った。彼女の速さなら問題はない。さて、
実際のところ頭はすっきりしている。あれは彼女をこの部屋から追い出す口実に過ぎない
老人は賭けに出たが、負けてしまった。では、勝った者は?

・・・そうさ、今、ここに、全ての状況が、がそろった
・・・そうさ、今、全てが、俺の思うとおりに、動いている

俺は腰にある得物に手をかけた



ピシッ、

心の中で、音が聞こえた気がした



10月2日(月)17:34 | トラックバック(0) | コメント(0) | TRPG/BG | 管理

EGG宇多津本店10月定例会(2)




壁に反響して向こうの声が聞こえる

「なんで―――」

「貴様には分かるまい―――」

「そんなこと―――」

「わしがうらやましいか、だがわしは貴様を―――」

「・・・・・・」

「くくっ、残念だがもう最後のようだ。惜しむべきは―――」

「―――!!」

あぁ、終わったようだ。さぁ、これで、終曲だ







足音を隠さず階段を下りる。下りた先には立ち尽くす少女と、倒れ床に紅い水溜りを作ってる老人。出血元は・・・頭、あれならば既に死んでいる、か

「――? 二人は、どうしたの?」

それは至極最もな意見。あぁそうか、もう俺は隠す必要がなくなった

「死んだよ。苦しまずにね」

彼女に、衝撃が走る。そりゃそうだろ、な。こんな結末など、彼女は望んでない

「無駄な質問なんだが・・・それ、渡してくれるかな」

それは俺の目的の一つ。今回の鍵。彼女は俺の言葉を聴いたとき、ひどく、悲しそうな顔をした


心に何か響く


「はは、答えなくてもいいよ。答えは分かってるから」

「どうして―――」

「理由はある。信念もある。そして引き返せないことでもある。もうわざわざ言う必要もないけどね」

「・・・・・・」


あぁ、そんな顔、しないでくれ


「さて、では始めるか」

俺は得物を構える。はっとしたように彼女も構える。彼女から戸惑いの色を感じる。本来なら俺は彼女には勝てない。そうさ、気づいたんだが俺と彼女はよく似ている。動き方、考え方。だから普段なら俺は彼女には勝てない。技術的な差が、俺にそう教える。だが
一気に駆ける、狙うは・・・心臓のみ!! 彼女の顔が見えた・・・信じられないと聞こえるようだ

二人は交差する


・・・ちっ、一撃で決めれなかった。さすがだ、心は折れても身体が動いたか。絶対の急所を避け、かつ攻勢に出た、が
彼女は胸を押さえる。致命傷、だ。あと一撃

「本気なの・・・?」

「もとよりそのつもりだ」

「・・・そう。だったら、わたしは・・・!!」

彼女が力強く構えを取る。虚勢だ。どうせすぐ終わる。俺も構え、そして、駆ける!!
あぁ、もう、これで、最後だ


"やばい"

!?
それは勘だ、足を、無理やり止める。彼女は、駆ける、速い、だが何の変哲も・・・?
ふっと彼女が一瞬ぶれた気がした。そして、気づけば、彼女の剣先は、俺の胸に
!?
全集中力をまわして避ける!! それは無理だ、だが、やる!!

一瞬彼女が光って見えた。その時、綺麗だな、と

俺は、立っている。先の判断が良かった。大きな傷ではあるが、致命傷ではない
彼女は・・・倒れている。気絶はしてないしまだ戦う意志はあるようだ・・・だが身体は満身創痍、ろくに立てそうにない
俺は止めを刺すべく、彼女の方へ

―――突然の爆音、圧倒的な衝撃が俺を襲った

「がっ!!」

あまりの衝撃に壁に叩きつけられる。なんだ・・・これは、魔法!? 
顔を、死んでたはずの、老人に向ける。そいつは俺のほうに手を向けていた

「・・・・・・地獄に、堕ちろ」

「この、・・・死にぞこないが!!!!」

腰にあったナイフを引き抜き投擲。ナイフは寸部たがえず奴の胸に吸い込まれた。それによって奴は一瞬痙攣する。そして

「―――生きろ」

今度こそ死んだ・・・。

ピシッ、
 
・・・あぁまた何かが欠けた

くそ、まずい。ダメージが、大きすぎる。
少女のほうを見る・・・俺がどうこうしているうちにいつの間にか両足で立ち俺をにらんでいる。

「これで、決めよう・・・」

「・・・・・・」

互いに構える。もう後はない。お互い、生も、死も


同時に駆けた


そして最後の一撃が互いの胸へ・・・






「あぁ、これでやっと死ねるわ」

それが彼女の最後の言葉だった。俺にもたれかかるように、そしてそのまま床へ倒れていった
俺は・・・立っている、生きている。・・・なぜ? それは、


あぁ、そうか





パンッ、




ん、なにかが・・・弾けた・・・・?





俺が、気にすることではないか





そうさ、俺は俺のためにここにきたんだ




もはや、関係ない




本当に・・・?




あぁ





俺は最初の門の前に立っている。前は全員でこの門をくぐった。だが今は俺一人でいい

「そうさ、これが、結果だ、これが、現実だ」
「ならば、過去は? これもまたしかり」
「ならば、未来は? はは、愚者が集うか」
「なれば、なれば、俺が紡ごう、未来を!!」
「・・・新しい、時代の、幕開けだ!!」

これは俺が望んだ結果。これは俺が望んだ未来
ホールに俺の、薄い笑いが響いた

だけど、それがどこか悲しく聞こえたのは、どうしてだろう

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あ~、いきなり駄文すみません。これはこの休みに行ってきたEGGでやってきたセッションの大まかな流れです
まぁ、一部脚色している部分はありますが大体こんなもんです。よく分からない、てな感じですが、これは仕様と私の文才のなさです。また、このシナリオは他でもやってる、やっていくようなので可能な限りネタバレを隠すためにがんばってみましたが・・・全然ですね。これからやる人、GM、本当にごめんなさい
あと、他のPCの方、特に戦斧使いの方、すみませんでした。たぶん何にも分からないうちに死んじゃったと思います
・・・そうです、上の駄文に直接出てくる人物はすべてPCです。ちなみに俺は・・・
シナリオはすっっっっごく楽しめましたよ。久々に重く考えられるシナリオでしたし。また駆け引きも楽しめました。ほんと皆さんお疲れ様でした



10月2日(月)17:33 | トラックバック(0) | コメント(0) | TRPG/BG | 管理


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